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終身雇用制度は日本の大企業には絶対に必要だと思う

日立、トヨタの社長が、終身雇用制度の限界を唱えている。

日本を象徴する大企業トップの発言だったので、大きく取り上げられている。「終身雇用を続けることのインセンティブが企業に取ってなくなっている」とのこと。日立やトヨタで働いている従業員は、終身雇用を前提として、今まで会社に対する不満に耐えてきているはずなので、ストライキをしてもいいのでは?と思ってしまった。

そもそも終身雇用制度とは何か?

一言でいうと、日本の製造業の競争力の源泉。

入社からのステップを考えてみる。

①実務に耐えれる専門スキル(例えばマーケティング、物流、生産技術など)を磨く必要がない教育制度で育った若者を採用。

②製造現場や販売現場での研修。

➂配属後は、非常に丁寧で献身的なOJT。

④部門(営業→生産→コーポレートなど)を跨いだ定期的な部署異動の実施。

➄同期横並びで差をつけない人事評価。

⑥海外拠点に人材を送り込んで、力業で日本流のやり方を展開。

➆40代を過ぎて出世競争に敗れた人間にも、一定額の給料と役職を保証。

ざっとこんな感じで、形成されていて、日本社会の構造とフィットしている。

終身雇用制度を辞めれば競争力はつくのか?

社会構造そのものを変えないと、知名度があって優秀な人材を採用出来る超大企業以外は死亡。

終身雇用制度が崩れると何が起きるか?

①専門スキルがなく、育成に時間のかかる新卒採用よりも中途採用が盛んになり、新卒で採用される人材の数が激減。欧州みたいに若者の失業率が上がる。単純労働は外国人人材が増える傾向にあるので、厳しい時代になる。

②長期的に働かない前提なので、現場実習は実施しない。そうなると、現場に対する理解がないまま意思決定がなされる。一方で、現場もオフィス無視の傾向が強くなり、不正が蔓延する可能性が上がる。

➂各部署での人間関係は希薄になり、後輩を親身に教える習慣は薄くなる。

④部門間の異動もなくなり(採用も各機能の専門家を集める)、他機能を理解しない人間が増えて、システムを包括的に見れて意思決定が出来る人間が少なくなる。また、他部門の人材交流、コミュニケーションが悪くなる。

➄横並びでの事制度はなくなり、出世競争に敗れた人材のモチベーションがすぐに低下。終身雇用だと、40代で出世に差がつくまでは、部長くらいならいけるかもしれないと勘違いをさせれて、騙された状態で一生懸命に働かされていた。

⑥海外に出向させる人材が少なくなる。特に身の危険が伴い、単身赴任になる途上国にいくインセンティブがなくなる。4年我慢すれば、帰国して出世という思想がなくなり、途上国にいくくらいなら、転職というオプションが出てくる。

➆高年齢での職を奪われたり顕著な降格があると、子供の養育費が払えなくなるなどの社会不安が増大。

終身雇用制度を辞めるべきではない

日本の社会システムそのものが終身雇用制度を前提としている。余力がある時期に変えていくのであればいい。しかし、変化の最中に変えてしまうと、一時的に大きな痛手を受ける。特に現在40~60歳の人材の社会不安をあおり、消費が著しく減退し、経済の悪化に繋がる。

大企業トップの発言は、大きな激震を起こしかねないので、しっかりと社会制度を整えてから発言をしてもらいたいなぁと思った。もちろん、準備をされているのだとは思うが。